先日、カラオケに行ったところ、後輩女子が西野カナの『トリセツ』を歌いだした。
“急に不機嫌になることがあります。わけを聞いても答えないくせにほっとくと怒ります。
いつもごめんね。でも、そんな時は懲りずにとことん付き合ってあげましょう”
いちいち、面倒くさい女だな。こういう女とは付き合いたくない。
私は男としか付き合わないから関係ないけど。
そんなことを考えながら歌詞を眺めていた。
“何でもない日のちょっとしたプレゼントが効果的です。センスは大事。
でも、短くても下手でも手紙が一番嬉しいものよ”
はしっこでヒッソリと歌を聞いていた私のところに、男の先輩が寄ってきた。
先輩は爆笑しながらこう言った。
「お前、絶対こういうタイプの女じゃないよな!手紙なんか絶対いらねぇって思ってるだろ!」
こんにちは、E子です。
もしも私が、思いのこもった手紙に感動できる女だったら、今頃結婚していたのでしょうか。
もしも私が、サプライズのプレゼントに感涙できる女だったら、今頃、幸せになっていたのでしょうか。
今日は、男性のサプライズプレゼントについて考えたい。
目次
1.心のこもった手紙は嬉しいか否か
「手紙なんか絶対いらねぇって思ってるだろ!」と先輩に言われ、私はこう答えた。
「手紙が悪いんじゃないんです。すすんで手紙をくれようとする男は、いちいちやることが寒いから嫌なんです」
友人の結婚式で、サプライズで新郎が新婦への愛の手紙を読み上げるというコーナーを目撃したことがある。
あれは非常に良かった。
たぶん、普段なら「愛をこめたお手紙」なんか書かないようなキャラであろう新郎である。
それが、結婚式という場で、「新婦がいかに自分を魅了した素晴らしい女性か」をゲストに聞かせてやるという主旨でおこなうという点が非常に良かった。
(あくまで個人的な解釈です。新郎の真意は知りません。)
つまり私は、
「手紙を書くと女性は感動するに違いない」という発想のもとに、自ら手紙をしたためるような男が苦手なだけなのだ。
これはサプライズにも共通するものである。
・愛情の押し売り感
・どんな女もコレで喜ぶと過信している感じ
が、たまらなく苦手なのだ。
2.低レベルなサプライズならしなくていい
サプライズは本来、女性を喜ばせるのに効果的な、恋愛の技である。
私はそのことを忘れかけるくらい、低レベルなサプライズを多く目にしてきてしまった。
主に学生時代に自身や友人の経験からであるが、男の年齢が若いということを考慮しても、酷いものが多い。
その最たる要因が、これだ。
・サプライズをしようとしていることがバレている
もはや事前にバレてはサプライズとは言えない。
何かを準備している、直前にやたらと今欲しいものを聞かれる、など、
「そりゃバレるだろ」的な行動が散見される。
サプライズが事前にバレると、女性側も「ことが始まったら、いい具合に喜ばなければならない…!」という強迫観念からリラックスできなくなってしまう。
驚いているフリの練習を鏡の前で繰り返す羽目になる。
こういった苦難を強いることになるくらいなら、そもそもサプライズなどしてくれなくていい。
3.自分本位のサプライズならしなくていい
これこそが、私がアンチサプライズ派である最大の理由だ。
・自分がやりたくてサプライズしている男が多い
つまり自己満足、自分本位なのだ。
「女にサプライズ演出をしてやる俺」、に酔っている。
いや、酔ってくれて全然いいのだが、
この手の男にありがちなのは、サプライズの手法自体は完璧なのだが、そこにこだわるあまり、プレゼントの内容がイマイチ、というケースだ。
サプライズをすることにプライオリティを置きすぎて、
彼女が真に欲しいもの、真のニーズから乖離してしまいがちである。
そうまでしてサプライズする意味あるか?
と思わされるケースが多いのである。
4.私が心底驚いたサプライズ
上記理由により、私は危なそうな男と出会ったら早い段階で「サプライズをされるのは苦手です」と言うようにしている。
というより、もう、ヤバそうなサプライズを仕掛けてきそうな男とは付き合ったりしない。
これが30年超の人生経験により身についた、見極め力の賜物である。
そういうわけで、私はその男からサプライズをされるなどと、露ほども予想していなかった。
男は私と会うのに手ぶらで現れ、ほどなくして、スーツの内ポケットから小さな小箱を出した。
リボンのかかった小さな小箱は、男の体温ですこし暖かくなっていた。
そんな可愛いことをする男だと思っていなかったので、心底驚いたのだが、
中身を確認してさらに驚いた。
中身が、ちゃんと私が欲しいものだったからだ。
私は、本当に欲しいものはわりとすぐ自分で買ってしまうので、
あまり欲しい物がない。
しかし、あえて自分で買うほどではないけれど、まぁ欲しいかな~と思うものはそれなりにある。
私が男と、そんな話をしたのはおそらく2ヶ月以上前だったのではないだろうか。
とにかく思い出せないくらい前に、私が男に聞かれて「ちょっと欲しいかも」と思って言ったものであった。
その段階で2ヶ月以上先のプレゼントの事前リサーチをしていたのか、
それとも常日頃から、自然な会話の中で女性の服飾や持ち物の話題に触れるようにしているのか。
おそらく後者であろう。
あまりに自然で、微塵も予感させないサプライズに、私は「この人、やるなぁ」と感心した。
E子が引きつる!この後衝撃の展開に!?
▶▶▶
5.思わず後ずさるほど、驚いた理由
上記サプライズを一切予期していなかった私は、
男が小箱を差し出したときに、おもいっきり後ずさりした。
おそらく、あからさまに怪訝な顔をしていたという自信もある。
私の心臓の鼓動は瞬く間に早まり、「ちょっと、救心を用意してもらえませんか」という危ない状況にまで陥った。
本当に、救心を持参すべき事案だった。
なぜなら、
当時わたしには他に彼氏がいたからだ。
サプライズをしたその男とは、付き合ってるんだか付き合ってないんだか正直よく分からない状態であった。
小箱の中身は貴金属であったし、それなりの価格帯のいわゆるハイブランドのものであった。
男の前で、感動して喜んでいるフリをしながら、胸の内では戦慄が走りに走る。
え…?
この人、私と付き合ってる気じゃないよね?まさかね。
はっきりと付き合ってるとか口約束はしてないし、絶対付き合ってないよね。
でもこれ、付き合ってない女に渡すような物ではないよな…
いやでも…
脳内ではそんなことばかり考えながら、一般的な女らしい喜びのコメントを述べる私。
「嬉しい!これ欲しいって話したの覚えててくれたんだね!ありがとう!」
さて、きっと大丈夫だ。
私の人選には間違いなどない。
この手のチャラついた男が、「付き合っている」と明言しない以上、絶対に付き合ってなどいない。
大丈夫、私達は付き合ってなどいない…!
6.何度も何度でも驚かせてくれる男
必死の思いで動悸をしずめて、私はいつもどおり男と食事に行った。
真面目な話からなんとしてでも逃げたい不真面目な私は、
今日は食べ物の話しかしない!と決め、できるだけ盛り上がるように食べ物の話ばかりした。
※私は普段、基本的にテンションが低めで自ら会話を盛り上げる努力など一切しないが、こういったときの頑張りだけは賞賛に値すると自負しているくらい、別人のように話を盛り上げる。
今まで食べたもののなかで何が一番美味しかったか?という話になり、
男は、ハワイの某ホテルで食べたステーキが美味しかったと言った。
私は適当なノリで「いいなぁ!行きたくなってきちゃった!」などとのたまってみせる。
これがいけなかった。
男「一緒に行こうよ」
E子「え?」
男「予定合わせて行こうよ!ハワイ好きでしょ?」
え?いけます?この流れ。
付き合っていない男女が二人でハワイに行って大丈夫?
それとも私達って付き合っているのかな?
不真面目な恋愛をしていると、
ときに予期せぬ展開に驚いたりドキドキしてしまうことがあるものである。
7.女が夢見る最高のサプライズとは
かなり話が逸れてしまった。
ここでようやく、私が過去に見知ったサプライズの中で、もっともイケてる!と思ったサプライズのご紹介である。
これを読んでいる殿方は、是非、二度とイタいサプライズは実行しないと胸に誓いつつ、
下記内容を頭に叩き込んで明日から実践に移してほしい。
それは私の男友達が実行したサプライズプロポーズである。
しかし彼はまず、さほど仲がいいわけではない私に対して、その詳細を教えてはくれなかった。
サプライズの内容をむやみやたらに他人に話さない
自分本位や、自分の自慢のためのサプライズではなく、真に彼女を喜ばせる目的であることが滲み出て、非常に好感度が高い。
その上で彼は、プロポーズをする上でどういったことに気を配ったかは教えてくれた。
なんと優しい男だろう。来世では彼に結婚を申し込みたいくらいだ。
※ちなみに、このように記事に載せることも許してくれた。ありがとう。
気を配ったこと
・思い出の場所であること
・思い出になること
・伝統的な言葉姿勢でおこなうプロポーズであること
・彼女が自分を綺麗だと思える格好のときであること
これを聞いて私は感嘆のため息を漏らした。
ポイント2
・彼女が自分を綺麗だと思える格好のときに実行する
ここに気のつく男性が、日本に何人いるのだろうか。本当に素晴らしいことこの上ない。
思い出というのは、映像として心に刻まれるものである。
サプライズでありがちなのは予想外のタイミングを狙ったために、
彼女が気を抜いたファッションをしているということがありがちである。
この場合、彼女の美意識の低さにももちろん問題はあるわけだが、
場合によっては深夜に彼女宅に突撃し、
寝巻きにすっぴんの彼女に薔薇の花束を贈呈するという猛者もいるので、一概に女側の問題でもなさそうだ。
とくに花をもらうときというのは、美しい装いをしていたいものだ。
むしろ、寝巻き姿のときに花をもらっても、何の意味もない。
それならスーパーで買ってきた小松菜をもらって抱くのと大差ない。
そのくらい意味が無い。
サプライズで美しい思い出を作りたい、と考えている殿方は是非、参考にして欲しい。
8.まとめ
サプライズに限らず、なんでもそうであるが、
恋愛においては相手の立場にたって考えることが大事だ。
自分本位で行動するとろくなことにならない。
本当に大切に思っている相手なら、相手が何をされたら喜ぶかを真剣に考えるべきである。
そしてサプライズやプレゼントにはセンスの有無があるものだが、
真剣に喜ばせようと時間をかけて考えてくれたことは必ず相手に伝わる。
私のような西野カナの「トリセツ」をくだらねぇと思いながら聞いてしまうような女にでも、必ず伝わるものなのだ。
ときには結果にこだわらず、一生懸命になってみるのもいいかもしれない。