むかしむかし、あるところに女子大生E子がいました。
彼氏と別れたばかりのE子ちゃんは、
「とにかくイケメンと付き合いたい。イケメンなら何でもいい。あ、でも頭悪い人は好きになれないから、頭のいいイケメンと付き合いたい。性格は悪くてもなんでもいい」
とほざいていました。
それを聞いていた男友達が、E子ちゃんに友人を紹介してあげる、と言いました。
T大学に在学中の爽やかイケメン。
「どのくらいイケメン?女子が10人いたら9人がイケメンって言うレベルなら紹介して欲しい」
男友達は自信を持ってイケメンだと言い切れる、と断言しました。
初対面の異性と会う日は、一人で洗剤買いに行く時くらいの服装・心構えで行くといい。
するとね、会ってみて「違うな」と思った時にダメージが少ない。さらに、会ってみて「いいな」と思った時のために、普段から洗剤買いに行く時でも小綺麗にしようって思う。— E子 (@escape_no_e_yo) January 25, 2019
会ったことのない人物に期待を抱く、というのはとても危険である。
勝手に想像し、妄想し、あまりに具体的になりすぎた、相手へのイメージ。
それとあまりに異なる現実…。
そんな、行き過ぎた妄想ゆえに相手に絶望してしまうなんて、相手にも失礼なことだろう。
異性と出会うとき、出会う前に、相手に期待をしすぎることは、誰もが一度は経験したことのある失敗ではないだろうか。
1.初対面でがっかりしてしまうのは自分のせい
冒頭の、『E子女子大生時代イケメン期待事件』は、お察しの通りの結末である。
高学歴(頭のよさの保証)のイケメンと聞いて紹介された、友人の友人。
私は彼と実際に会う前に、1~2週間毎日メールのやり取りをし、
会うより先に、空想のなかの男性を好きになってしまっていた。
わくわくしながら待ち合わせに出向き、
そしてご対面の瞬間に「え、これ、イケメンってこういう感じ?」としか思うことができなかったのである。
今になって思えば、いや、当時その瞬間にすでに私は悟っていた。
「イケメンかどうか」は他人の評価をアテにすべきではない。
とくに私はもともとさほど面食いではなかったし、美形に強いこだわりがあるわけでもなかった。
ただ、なんとなくイケメンと付き合いたい気分だっただけなのである。
私の期待を裏切った、その「イケメン」は、たしかに爽やかで、服装も髪型も清潔感があってマトモで、女性なら誰もが「ふつうにイケメン!」と言えるレベルだったと思う。
なのに、何を贅沢なことを言っているのかと言われそうだが、
現れた彼は、かなり可愛い感じの顔つきだったのだ。
私はキュートな顔立ちの男性がとても苦手である。
子犬のような愛くるしい瞳で私を見つめないで欲しいのだ。
この過去の過ちを反省し、わたしは今では、初対面の男性と会うときは下記のことを心がけている。
- 実際に会う前にメールなどで親しくなりすぎない。
- 「いい男が現れる」とは思わない。
- 「うんこが来る」と思っておく。
これは非常に効果的な方法であり、
「うんこが来る」と思っておくだけで、実際に現れた男性がどんなにイマイチだろうと、
「思ってた(=うんこ)より全然マシ!」と思うことができる。
相手にとっても自分にとってもハッピーになれる考え方である。
2.結婚相手を探すつもりで、会ってはいけない
さて、「うんこと会う」つもりでわざわざ休日に時間を割いて街へ出かけたわけだが、
現れたのが「うんこではなかった」からと言って、大喜びするのはまだ早い。
会ってしばらくは、まだ「ヒトの形をしたうんこ」くらいに思っておくほうがいいだろう。
これは婚活をしている人が陥りやすい罠だが、初対面のひとを
- 結婚相手として適切か否か
- 付き合えるか付き合えないか
という目で見てはいけない。
婚活に一生懸命で、こういったことに注力するあまり、婚活しているひとは気色悪いトーク展開をしがちである。
・気色悪いトーク一例
「結婚願望はありますか?何年以内に結婚と決めていますか?」
「料理は得意ですか?得意料理は?」
「転勤はありますか?何年以内に?どこへ?」
「奥さんには共働きを求めますか?」
もちろん、自然な会話の流れでこういった話題になるのならば、これらを質問してもいっこうに構わない。
しかし、こういった質問を連発したり、やたらと前のめりに質問してきたりすると、「婚活臭」がして、気色悪いのである。
初対面で、もし一つ、自分の中でジャッジをするのなら、以下の項目だけにとどめて欲しい。
・ヤれるか、ヤれないか
それ以外のこまごまとした家族構成や兄弟構成、年収、転勤の有無、実家の場所、実家との親密度、母親との親密度、共働きについての価値観、子供は何人欲しいか、子供は私立か国立かどちらに進学させたいか…、
すべて、どうでもいい。
そんなことを初対面で気にしたところで、全部の条件に合致する異性なんて現れない。
とくに女性は多くの場合、肉体関係をもった男性に対してみる目が急激に甘くなる傾向がある。恋は盲目というのはこういうことではないだろうか。だからあまり細かいことを気にせずに、生理的にOKかどうかだけ判断しておけばいいのだ。
あとは子宮が、わたしたちの脳内にはびこる小姑を説き伏せてくれる。
というわけで、話を戻すが、
初対面の男性と会ったら、序盤のうちは「このうんことは話が合うな」「面白いことを言ううんこだな」などと、あくまで「うんこ」と会っているという意識で会うべきである。
つまり、気構えず、はりきらず、リラックスした気持ちで挑めということだ。
3.「本気で真面目に恋愛する心構え」は捨てろ
「本気で結婚を考えてくださる方を探しています」
「真面目に恋愛する気のない方はお断りです」
アプリの自己紹介に、こんなことを書く人がいる。
ひとつ、言わせて欲しい。
なぜ、まだ会ってもいないお前に対して、「真面目に恋愛する気」で会わねばならないのか。
まだ何の興味もないお前に対して、「本気で結婚を」考えねばならないのか。
また、友人の紹介であれば、「次付き合う人とは必ず結婚したいって言ってる男友達がいるから紹介させてくれない?」などといわれるわけだが、
次付き合う人がどんな人かも分からないのに、よく「必ず結婚したい」などと思えるな、と。
もちろん、そんなことは分かっていると言われそうである。
「それくらいの心構えで異性と出会おうとしています」というただの意思表明なのだろう。
ただ、個人的に意見させてほしい。
まだ相手が誰かも決まっていないのに既に本気のヤツはキモい!
もっと軽い気持ちで知り合いを増やせばいいのに、
いちいち本気本気と言ってくるヤツは、キモい!怖い!
わたしはこういった紹介のされ方をしたらほぼ例外なく、会わずにお断りするし、
アプリで自己紹介にそんな文言を入れている人も、例外なく「うわぁ」と言ってスルーする。
つまり、無駄に「真面目」「本気」に固執することで間口を狭くしてしまってはいませんか?ということである。
チャラついた人間を排除するためにあえてやっているのならば、それは個人の価値観で好きにしたらいいと思うが、
「出会う前に排除する」というのは何らかの奇跡の可能性を捨てることでもある。
どうか、「出会ってから排除する」というスタンスで、気軽にいろんな人と会ってほしいなと思うのだ。
4.引き際は美しく
知り合ったものの、
「この人と付き合う可能性はないな…」と判断し、もう会わない旨を伝えたとき、
怒りをあらわにする人がたまにいる。
「こんなアプリで真剣に恋人を探すなんてバカバカしいということがよくわかりました。何人出会っても付き合うには至らないことばかりで、うんざりです。正直、こういった出会い方にはもともと不信感がありました。どうせあなたも、はじめから真面目に相手を探すつもりなんてなかったんでしょう。」
いやいや、
過去にアプリでうまくいかず蓄積した鬱憤を発散されましてもな…。
たしかに私は真面目に血眼になって恋人を探していたわけではない。
しかし、もっと言えば、私は血眼になって恋人を探した経験など、ない。
とくにアプリなんてはなから暇つぶしでやっていることがほとんどなので、
「いい人がいれば付き合うかもしれないけど、まぁいい人なんておらんやろ」くらいのモチベーションである。
しかしそんな暇つぶし感覚でやっていても、
ときたま心を揺さぶられることがある。
それは、
お断りしたときの対応が美しかったとき
である。
引き際が美しいと、ひとは「あれ、もったいなかったかな」などと思ってしまう、卑しい生き物なのだ。
美しい引き際の例
「他の方と付き合うことになったとのこと、おめでとうございます。E子さんとお話するのはとても楽しかったので、機会があったら…なんて言ったらダメですが、もし万が一機会があればまた会いたいです」
「E子さんと付き合える人が羨ましいです。E子さんは優しくてステキな方だから、きっと大事にされると信じています」
婚活の愚痴を吐き捨てられると、もう二度と連絡をとりたくもないし関わりたくもない、と思うが、
引き際が美しいと、もしかしたら何かで再会する機会があれば、もしかするとアリかもしれんな…と思うわけである。
また、もし再会することがないとしても、相手の気分を害していいことはひとつもない。
私はもし男性に、失礼な断り方をされたとしても、
相手には気分よくいてもらえるよう対応したいと思っている。
それも世界平和実現の一歩と思えば、尊い活動ではないだろうか。
5.「理想が高い」の実態とは
出会えども出会えども、いいと思う異性が現れない。
付き合いたいと思う異性が現れない。
そういう人は「理想が高いんじゃないの」と言われることが多い。
「理想が高い」という表現は非常に分かりにくく、コレを言われると多くの人は
「普通のひとでいいんだけどなぁ…」と思ってしまう。
そんな、自称「普通の人でいい」婚活勢に問いたい。
君たちは、今日はじめて会うその異性のことを「うんこ」と思って会っているか?
「真面目に恋愛する気のないうんこ」と思って対応しているか?
相手から連絡が来なくなったとき、「うんこからの連絡が途絶えた」と、正しく認識できているか?
これは重要なことだから、しっかりと頭に叩き込んでほしい。
出会う異性は「うんこ」だと思わなければならない。
異性を「恋愛対象」と思ってしまうから、ちょっとしたことが気になってしまう。
「結婚の可能性」を意識してしまうから、真面目に恋愛する気があるかどうかが気になってしまう。
「付き合いたい」と思っているから、連絡が途絶えたときに怒りに似た感情を抱いてしまう。
いいか、思い出せ。
その相手がうんこだということを。
うまくいかないうんこは、さっさと水に流してしまえ。
そしてまた、新たなうんこと出会い、「うんこだなぁ」と思う。
婚活とは、その繰り返しではないだろうか。
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