ジブリ映画の主人公の名前にもなった『雫』、メジャーな名前かと思いきや意外と使われている人は少ない名前だったりします。
音がキレイな『雫』を子どもの名前に使いたい人へ、由来や意味、雫にまつわることをいろいろ紹介しますので、是非お役立て下さい。
目次
『雫』を使った名前、その歴史とは?
「雫」という漢字、人名用漢字では歴史が浅いのを知っていますか?
私たちが普段使っている何万もの漢字は、全てが名前に使えるわけではありません。
人の名前に使える漢字「人名用漢字」は、戸籍法により決められています。
子どもの名前はできるだけ常用平易な文字を用いることが理想とされていたため、「雫」も少し前までは使えない漢字でした。
1995年に制作されたジブリ映画の「耳をすませば」、女子中学生「月島雫」のピュアな恋の物語です。
「雫」の名前で、このキャラクターを連想する人は多いはずです。
しかし、この映画が作られた段階ではまだ「雫」は人名用漢字にはなっていませんでした。
「雫」の漢字が使えるようになったのは2004年、人名用漢字の見直しがされてからです。
親たちの要望が強かったためでもあり、「雫」の他に「苺・遙・煌・牙」なども使えるようになりました。
テレビのニュースでも流れていましたし、知っている人も多いのではないでしょうか?
「雫」の漢字が使えるようになって15年、まだまだ歴史の浅い人名です。
親の要望が強かったとはいえ、歴史が浅い名は使われている人数は少ないと言えます。
人気の高い名前でも、クラスに自分の子と同じ名前が何人もいるのは親としては複雑ですよね?
使われている率の低い漢字を使うのは、個性を主張する上でも有効ですよ。
「雫」の漢字を使えば、きっと個性的な名前にすることができると思います。
「雫」の漢字の意味と由来
子どもの名前を付けるとき、その漢字の意味や由来も気になるところです。
「雫」の漢字にはどんな意味や由来があるのか見てみましょう。
「雫」の漢字の意味
「雫」には、「水のしたたり」という意味を持っています。
「雫」が指す水は雨水のことで、水道から出る水のことではありません。
この場合の「しずく」は「滴」の漢字が使われます。
「雫」の漢字の由来
「雫」という漢字は、見てわかるように「雨」という漢字と「下」という漢字からできています。
雨が下にぽつりぽつりと滴り落ちる様子から、雨のしたたりが「雫」という漢字になったのでしょう。
このように二つ以上の漢字の字形や意味を組み合わせて作られた漢字を「会意文字」と呼びます。
いい?悪い?「雫」に対するイメージとは?
「雫」の漢字を目にしたとき、名前に相応しいという人もいれば、イマイチと感じる人もいるでしょう。
感じ方は人それぞれですが、「雫」に対してどんなイメージを持っているのでしょうか?
いいイメージと悪いイメージ、両方を見てみましょう。
「雫」に対するいいイメージ
- 恵みの雨、清らかで透明感がある
- 植物に潤いを与える
- ティアドロップ、宝石のイメージ
- 雨の雫に日の光が当たるとキラキラとして美しい
「雫」に対していいイメージを持っている人は、雨を恵みの雨、ありがたいものと考えている人が多いです。
雨といってもゲリラ豪雨みたいなものは困ってしまいますが、夏の暑い日は夕立で雨が降ってくれると、少し涼んで過ごしやすくなりますよね。
雨が上がった後の樹木の雫が日の光で煌めいている様子は、天然のイルミネーション、オーナメントのようでとてもキレイです。
「雫」に対する悪いイメージ
- 雨を連想させる
- 雨冠の漢字は、暗い陰気な感じがする
- 雨が上から下に落ちてくるのは縁起が悪い
「雫」に対していいイメージを持っていない人は、雨をうっとうしいもの、嫌なものと考えている人が多いようです。
確かに昨今のゲリラ豪雨はひどいですから雨に対するイメージはよくないですよね。
梅雨の時期は洗濯物も乾きにくく困ってしまいますし、部屋の中もジメジメとした嫌な感じになるからでしょうね。
「雫」を使った名前、新しい漢字は敬遠される?
「雫」を使った名前を子どもに付けてあげたかったのに、周りから反対されて断念したケースも。
特に年配の方(親のご両親)にとっては当時この漢字はまだ名前には使えなかったことから、可愛い孫の名前に付けるには違和感があるのかもしれません。
せっかくのお子さんの名前、反対されてからと言って諦めたくないですよね?
強引に名前を付けるのではなく、反対される理由を聞いて、話し合いのうえお互いが納得できるようにしたいものです。
「雫」を使った名前は縁起が悪い?敬遠される5つの理由
「雫」の漢字を使った名前が敬遠されるのは、真新しい人名漢字だけというのでは無く、いくつかの理由があるようです。
- イメージが良くない
- 下品な感じがする
- 風水的に女の子の名前にふさわしくない
- 「雫」がポタポタと落ちるのは縁起が悪い
- 水を連想させる漢字は女の子の名前に相応しくない
イメージが良くない
「雫」は「雨」という漢字と「下」という漢字でできています。
漢字の雰囲気が両方とも暗い感じがして名前には良くない、ゲリラ豪雨など雨に対してイメージが悪いと感じている人が多いからなのでしょう。
下品な感じがする
「雫」には「水のしたたり」の意味もあります。
本来は(雨水)のことなのですが、一部にはこの「したたる」を下品、いやらしい意味にとる人もいます。
「水商売」に「お水の女」というように、水は風俗を表す言葉としても使われるため、水のイメージがある漢字は名前には相応しくない、特に女の子に名前にはしたくない、と考えているようです。
風水的に女の子の名前にふさわしくない
風水では全てが「陰と陽」に分かれています。
人であっても男性は「陽」、女性は「陰」に属し、天候においても晴れは「陽」、雨は「陰」に属するのです。
雨が陰なので、雨の文字が入るすべての漢字は「陰」に属します。
風水では陰陽のバランスが重視されます。
女性自体が陰なので、名前にも陰か付くと陰の力が強まってしまってよくないということなのです。
逆に男性「陽」の場合、「光」、「輝」といった「陽」の意味を持つ漢字は、陽の力が強まってしまうので名前にはよくないとされています。
「雫」がポタポタと落ちるのは縁起が悪い
雨の「雫」がポタポタと落ちる、雫は「落ちる」という言葉を連想させます。
どんな場面でも「落ちる」のは縁起が良くない、名前には相応しくない、ということです。
天候を連想させる漢字は名前に向かない
天気というものはコロコロと変わるもの、名前に使うと「移り気がある」「落ち着かない子になる」と言われているようです。
「雫」も雨に属するので名前には向かない漢字とされているようです。
「雫」を使った名前は縁起がいい?使いたい5つの理由
「雫」が名前に敬遠される理由が分かったところで、使いたい理由を紹介しましょう。
- イメージがいい
- 恵みの雨の爽やかな感じがする
- 「雫」は言葉的にも縁起がいい
- 「雫」は画数的にも縁起がいい
- 子どもの名前に個性を出したい
イメージがいい
形に表すと、ジュエリーの定番にもなるくらい曲線の可愛らしいデザインです。
透明感があり、清らかなイメージが女の子の名前にピッタリだという意見です。
恵みの雨を連想させる
雨が続くと、天気が晴れ晴れとしなくて気が滅入ることもあります。
しかし、雨は植物にとっては欠かせないもの、恵みの雨という言葉もあるように植物が瑞々しさを取り戻す様子は神聖さをも感じます。
「雫」は言葉的にも縁起がいい
水を表す雨冠の漢字、「雫」もその一つです。
水は生命を育むうえでなくてはならないもの、大切なものなのです。
「菊の雫」というのを知っていますか?菊の花に溜まった露のことで飲むと長生きできると言われています。
お酒の名前に「○○の雫」、というのはよく使われている名前です。
「雫」が縁起の悪い漢字であれば、お祝いの席で飲まれることの多いお酒の名前に使われることもないでしょう。
「雫」は画数的にも縁起がいい
子どもの名前には縁起のいい画数の名前を付けてあげたい、こう思っている人は多いはずです。
「雫」の画数は11、縁起のいい数字で、周りの信頼を得る画数です。
この11の画数はまとめ役に向いています。
温和な雰囲気でみんなをまとめていくほっこりとしたリーダーになる、と言われています。
常に先頭に立ちみんなをグイグイ引っ張っていく積極的すぎるリーダーよりは、多くの人に信頼を得られそうですね。
子どもの名前に個性を出したい
育児の雑誌などには毎年欠かさず「人気の名前ランキング」が発表されます。
人気の高い名前にしようという人もいれば、同じ名前になるのは嫌だと考える人もいます。
「雫」の漢字は人名用漢字に採用されてから歴史が浅いので、「雫」の漢字を組み合わせた名前は少なく、キラネームのような突飛な名前でなくとも、個性が光る名前になります。
【実例】「雫」を使った名前、子どもにつけた親たちの願いとは?
実際、「雫」を使って名前をつけた親の皆さんの意見を聞いてみました。
「雫」に込められた願いを見てみましょう。
「雫花(しずか)」
出産時に入院していた病院の窓から見える花壇を眺めていたとき、花に乗っていた一粒の雫が落ちる様子がとても美しかったから、女の子にピッタリだと思いました。
「雫(しずく)」
雫は潤いを与えるイメージがあるので、周りの人に癒しを与えるやさしい子になって欲しいと願ったから。
「雫喜(しずき)」
妊娠が分かったときに夫からティアドロップのジュエリーをプレゼントされました。
涙の形に「これは悲しい涙じゃなくてうれし涙の意味だから。」と言われて、男の子ですが迷わずこの名前に決めました。
「しずく」
ジブリ映画の「耳をすませば」の主人公の女の子の名前が「雫」でした。
こんなピュアな可愛い子になってほしいなぁ、と思いましたが、当時はまだこの漢字が使えませんでした。
それでも諦めきれずに、ひらがなの「しずく」にしました。
ひらがなの「しずく」も柔らかな感じでいいと思います。
「綾雫(あやな)」
「雫」の漢字が使えるようになったので、この漢字を使いたいと思っていましたが、周りに先を越されてしまったので、一文字足して「綾雫」にしました。
「雫ちゃん」はいても、一文字足した「綾雫」は周りにいなかったので、個性的な名前になりました。
ストレートに「雫」の名前が多いのかと思いきや、「雫」に一文字足した名前も人気のようですね。
一文字足すことによって、雫に込めた自分の願いが分かりやすくなっているのではないでしょうか?
人名漢字としては新しい字なので、一文字加えるだけで個性的な名前になりますね。
「雫」を使った名前、大事なのは親が子どもにかける願い
「雫」に対する良い意見と悪い意見を見て、ますます子どもの名前にふさわしいか混乱してしまったでしょうか?
例えば「光」という漢字を例にとってみてみましょう。
「光」には柔らかな日の光、キラキラと輝きキレイなイメージがありますよね?
しかし、熱中症になるほどの直射日光はどうでしょう?ギラギラと紫外線量も多い直射日光にいいイメージなんて持てないでしょう?
どんなものにも、いい面と悪い面は必ずあるものなのです。
気にしていたらきりがありませんよね?
イメージが悪い、との意見もありますが、「雫」が本当に悪いイメージしかない漢字だったら人名用漢字に使われるようになるでしょうか?
常用する率が多い漢字といっても「呪」「屍」「姦」といった名前にふさわしいとは思えない漢字は除外されています。
雨の雫が落ちるのは縁起が悪いとの意見もありますが、雨が上から下に落ちてくるのは自然の摂理、当たり前の光景です。
画数も、姓名判断は流派によって解釈が異なることがあり、どの流派で占っても縁起のいい名前を探すのはかなり難しいと思います。
特に女の子の場合は、結婚すれば総画などは変わってしまいますから。
あなたが「雫」を子どもの名前に使いたいと思ったのは、「雫」の漢字にいいイメージを持ったからなのでしょう?
「雫」は親御さんたちから強く望まれて人名用漢字に選ばれたのです。
胸を張ってつけていい漢字だと思いますよ。
こんな子どもに育って欲しい、あなたが「雫」にかける願い、それが一番大事なのです。
まとめ:想いを込めて「雫」を使った名前をつけよう
「雫」を使った名前についてまとめてみましたが、名付けの参考にはなったでしょうか?
- 「雫」は、比較的新しい人名用漢字
- 「雫」の漢字はいいイメージと悪いイメージがある
- 「雫」の漢字が人名に使われていない世代には、抵抗があるかもしれない
- 「雫」と一文字組み合わせるだけで、個性的な名前になる
- 何より優先すべきは親が子どもにかける願い
名前は親が子どもに与える最初のプレゼントです。
精一杯の想いを込めて、「雫」を使ったステキな名前を考えてあげて下さいね。