数々の名作を生みだした有名脚本家である野島伸司氏。
彼が2017年「パパ活」を題材にしたドラマを脚本したことで、話題になりました。
残念ながら「パパ活」の放送を現在リアルタイムで見ることはできないものの、主なあらすじやネットでの反応を紹介します。
「ぜひパパ活を見てみたい!」と思う人に向けて、今からでも全話見る方法についてもご紹介します。
目次
1.パパ活を題材にしたドラマ「パパ活」が話題
トレンドにパパ活が入ってたから試しに見てみたらガチモンのやつだった
ドラマとかじゃないんかい— ドナドナ (@jerafaja_simeji) December 21, 2019
かつてドラマは、地上波のみというのが当たり前でした。
しかし様々なメディア展開が見られるようになったことで、発信する手法がどんどん増加。「パパ活」は、フジテレビとエイベックス通信放送である映像配信サービスdTVが手を組んで作ったオリジナルドラマの2作目に該当します。
「パパ活」は、センセーショナルな作風で、物議を醸し出し続けてきた野島さんらしい作風といえるでしょう。
地上波の放送ではどうしても制約が生じるため、自由な表現は困難。自身のメッセージを入れるために地上波ドラマではなく、インターネットの有料配信動画を媒体に選んだのも、これまでの野島作品を振り返ると納得できるはずです。
2.ドラマ「パパ活」の脚本は野島伸司
地上波に比べて、各段に脚本とキャストの自由度が高いからだと思う。/野島伸司ドラマがネットで再評価 得意の“過激な作風”が好相性(オリコン) – Yahoo!ニュース https://t.co/Z5K8Y8bqRm
— 指南役 (@cynanyc) April 30, 2018
「パパ活」の脚本を手掛けたのは野島伸司さんです。
野島さんといえば、これまでに幾多の名作を手掛けてきた脚本家です。
爽やかなラストを迎えるのではなく、問題提起のためにあえて陰惨な展開や「えっ最後にそうなっちゃの!?」と思わす場面を入れるのも野島節。
「1990年代は野島旋風が吹き荒れた時代」といわれるほど、野島さんは90年代を駆け抜けました。
元々はテレビ局のフロアディレクターをアルバイトとして経験していた彼。
本格的にドラマとして脚本家としての活動を視野に入れだしたのは1987年頃です。
『パパはニュースキャスター』や『おヒマなら来てよネ!』などの代表作がある伴一彦に師事することに。1988年5月には、第2回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞。『君が嘘をついた』で、テレビドラマの脚本家としてデビューします。
彼の人生を大きく変えたのは、フジテレビのプロデューサーである大多亮氏との出会いでした。今ではあまり耳にしなくなったトレンディドラマに、大きく関与したのは紛れもなく大多氏でしょう。
今の時代では考えられない、視聴率30%超えのおばけドラマを輩出しました。
野島さんの作風をガラリと変えたのは1993年TBSP系で放送された『高校教師』です。
教師と生徒との恋愛、親子での許されざる関係など非常に重いテーマを取り上げたことで話題となりました。
それまでの野島さんは『101回目のプロポーズ』のように、恋愛ドラマを中心に描いてきました。しかし『高校教師』が高視聴率を獲得したことで、どんどんタブーとされるテーマに挑んでいくことになるのです。
1998年にTBS系で放送された『聖者の行進』は、暴力描写の多さにスポンサーを務めていた三共やトヨタ自動車が、放送期間中にクレジットの表示を自粛する騒動にまで発展。良くも悪くも賛否を起こす作品を世の中に投げかけてきたのが野島さんでした。
ドラマ評論家でフリーライターの成馬零一によると、「パパ活を描いた野島伸司の作家としての力量は洗練されている」とのこと。鋭利な刃物のような野島さんの切れ味は、時を経ても錆びついていないと証明されました。
3.ドラマ「パパ活」の概要
バイトまで暇つぶしで見てたパパ活のドラマ昼ドラ展開すぎて最終回手前まで一気見してもーた
— そのへんの人 (@genieechan) November 17, 2018
「パパ活」は、文字通りパパ活を題材にした作品。
タイトルだけ聞くと、性的な描写がたくさんあるかと思う人もいるでしょう。もちろんゼロではありません。
しかし野島さんによると「パパ活は入り口にモチーフに過ぎない」とのこと。貧困にあえぐ女子など、社会が抱える問題をしっかりと包括しています。
世間でいわれる「パパ活」がどのようなものかを理解しつつも、日本が直面している深くて重いテーマを扱っています。
4.ドラマ「パパ活」のキャスト
「パパ活」のキャストについて解説していきます。
栗山航を演じるのは名優、渡部篤郎さん。45歳の栗山を演じており、年相応の役といえるでしょう。
フランス文学を教える大学教授でいかにもインテリジェンスのありそうな佇まいをしています。杏里と同年代の娘がいたのですがすでに他界しており、それが彼の人生に影を落としています。
女子大生の赤間杏里演じるのは飯豊まりえさん。
母親との関係が良好ではありません。
母が離婚した後、再婚を決意したことがきっかけとなり、我が家から居場所がなくなります。
栗山の妻を演じるのは霧島れいかさん。
夫婦関係は冷え切っており、不倫中です。
入江芳樹を演じるのは、橋本さとしさん。
レストランのオーナーを務めています。
航とは昔からの友人ですが、航の妻である菜摘と不倫の関係にあります。
柿沢実さんが演じる健太郎はコック見習いで、杏里に片思い中。
しかし気が多い男のようで、多数の女性と遊び浮名を流しています。
整理すると「パパ活」のキャストは
- 栗山航…渡部篤郎
- 赤間杏里…飯豊まりえ
- 栗山の妻…霧島れいか
- 入江芳樹…橋本さとし
となります。
5.ドラマ「パパ活」のあらすじ
飯豊まりえさん演じる杏里は、母親に新しい恋人ができたことで家に居場所がなくなります。生活空間を追われた杏里は、自宅を出てネットカフェを転々する日々を送ることに。最初は友人、彼氏に助けてもらっていたのですが、愛想をつかされ新たな手段を探さなければいけなることに。
そこで彼女が思いついたのが「パパ活」。
サイトでパパを探すことにした杏里が出会った男性の名は渡部篤郎さん演じる栗山航です。
心身ともに疲労困憊の杏里は栗山に「腰が痛いからベッドでぐっすり眠りたい」と告げます。
「わかった」と了承した栗山は、隠れ家と称する自分のアパートへ彼女を連れていくことに。このまま男女の関係になると覚悟をした杏里でしたが、意外にも栗山はその日全く手を出しませんでした。
杏里をアパートの一室に残したまま紳士的に出かけていく栗山。杏里は栗山の意図が分からず困惑します。その後、驚くべき事実が発覚。
何と栗山は杏里の通う大学で教授として務めていたのでした。二人の関係は急接近していき、杏里は栗山が抱える過去のトラウマを知ることになります。
「パパ活のあらすじを知りたい」という方向けにあらすじを紹介していきましょう。
パパ活は全部で8話。
- 1~3話までのあらすじ
- 4~6話のあらすじ
- 7・8話(最終話)のあらすじ
に分けて解説します。
1~3話のあらすじ
記念すべき初回は、杏里を中心に描かれます。
彼女がどのような境遇で、なぜパパ活を始めるにいたったかがわかる内容になっています。
野島伸司さんといえば、愛の欠乏や虚無感を容赦なくテーマに選ぶことで有名。かつての野島ファンからすると、「久しぶりに観る野島作品が丸くなっていたらどうしよう?」といった不安を覚えていた可能性があります。
しかし一話目を鑑賞するだけで「やっぱり野島伸司の本質は何も変わっていない」と安堵できるはず。大半の人は、人間関係によって悩みやストレスを抱くもの。「パパ活」に登場する杏里には、現代社会の対人関係で苦悩する人が投影された存在といえるでしょう。
2話目では、航の過去が明らかになります。
愛娘を亡くしたことで航と妻・菜摘関係は悪化。もし悲しい出来事がなければ、仲睦まじい一家だった可能性が示唆されています。
しかし現実に航と妻の関係は冷え切っており、菜摘は航の旧友である入江と不倫関係に陥るなど、まさに泥沼状態。航には亡くした娘の陰が常について回り、未来ではなく過去に捕われたままの状態であると判明。航がパパ活を始めた理由は、エロティックなものではなく、かつて存在した娘を忘れられないゆえにでした。
2話で提示された問題が3話目でより色濃くなっていきます。
航は亡くなった娘と同じ生年月日の女性をずっと探していたことが明らかになります。恐怖さえ覚えかねない航の執着心。
例え同じ生年月日であっても、亡くなった娘と杏里は違う人間。にもかかわらず、航はまるで娘との関係を再現するかのように振る舞います。「野島作品には狂気が宿る」と、これまでにもよくいわれてきました。
3話目を観た野島ファンは「この展開こそ野島伸司だ!」と興奮を隠しきれないでしょう。
4~6話のあらすじ
すでに壊れかかっているというか、壊れている航の夫婦関係ですが、4話では崩壊がさらに加速。
杏里をアパートに住まわせていることが、妻・菜摘に露見するのです。
ならばとばかりに、入江との不倫を自らカミングアウトする菜摘。視聴者からすると「えっ、それバラしちゃっていいの!?」とハラハラしっぱなし。
そんな二人の関係を案じた杏里は、なんとか夫婦仲を修復しようと試みますが、上手くいくはずもありません。
もつれっぱなしの糸が、もっともつれてしまったという4話でした。
5話でその後の展開を大きく左右する場面があります。航と口論になった杏里が、彼を深く傷つける一言を口にしてしまいます。
ネタバレになるので何を言ったのかはあえて記しませんが、距離を置くことになる二人。近づきすぎると見えなくなることがあります。
彼らは遠ざかることで冷静になり、己の気持ちを知ることに。親子関係ではなく、お互い男女としての感情を持っていることに気づくのです。
連続テレビドラマといえば、週刊連載の漫画ばりに、次回が気になる伏線があるもの。5話の終盤には、航と杏里のラブシーンが映し出されたところで終わります。「この二人、どうなっちゃうの!?」と思った人は、6話を観たくしてしかたなくなるでしょう。
6話目で鍵を握るのは菜摘。航と杏里が男女の仲になったことを知った入江は、菜摘に「俺と結婚してほしい」とプロポーズをします。
しかし、菜摘の反応は彼が想像したものではありませんでした。菜摘は入江を愛していたわけではなかったのです。
杏里を呼び出した菜摘は「私達夫婦は愛し合っている。苦しみから逃れるために不倫しているだけ」と伝えます。
号泣しながら「私の家庭を壊さないで!」と叫ばれたことで、杏里は激しく動揺。「いなくならないでくれ。そばにいてくれ!」と杏里を抱き寄せる航。
6話の最後には、またも続きがとても気になる告白が。何と入江が「航の娘の父は自分である」と杏里に言い放ちます。
7・8話(最終話)のあらすじ
これまでに張られ続けた伏線が、繋がることになる7話。
実は亡くなった愛娘の父親が入江であることを、すでに航は知っていたのです。杏里に対する航の思いは強くなるばかり。そしてついに菜摘へ離婚を持ちかけます。反対するものの、入江との浮気を指摘され、ぐうの音も出ない菜摘。早く菜摘との関係を精算し、航は杏里とパリへ行くことを望むようになります。誰もが新たな道へ進み出すかと思いきや、衝撃の展開が。なんと菜摘がベランダか飛び降りたのです。
いよいよ最終話。アパートのベランダから飛び降りた菜摘は、亡くなってしまいます。
菜摘の飛び降りを目の当たりにした杏里は、甚大なダメージを心に負うことに。もし菜摘の死によって引き裂かれる仲であれば、本物ではなかったかもしれません。
しかし航と杏里の関係には、深い結び付きがありました。とんでもない事件があったことで、余計に杏里の存在の大切さを痛感した航。
杏里に「パリ行きを決意した」とだけ告げます。杏里の思いはただひとつ。「航さんについていき一緒にパリで過ごしたい」です。
空港へ駆けつけた杏里は、航と一緒にパリへ旅立ったのでした。
6.ドラマ「パパ活」を見たネットの反応・感想
「パパ活」を観た人がどんな感想を持ったのか、Twitterのつぶやきから確認していきます。
パパ活っていうドラマ見てるんだけど
渡部篤郎ダンディやなぁ🤔と同時に実際のパパ活には
こんな人おらんやろうなぁ笑パパ活がドラマになる時代なのか(・・
— めめ (@meme_1212123) October 19, 2019
渡部篤郎さんが格好良すぎるのは、やはりドラマゆえでしょうか。実際のパパ活をしている男性は、お腹の出たおじさんたちかもしれません。
ドラマの「パパ活」、一話だけ観た
渡部篤郎氏の演じる役が哀れな女子大生をさらっと助ける紳士なんだけどその一部始終が最強すぎるが故に気持ち悪い作品だった
だが、次回予告的に相当に拗らせた人ぽくてそれが凄く観たくて
でも主人公の女子大生が苦手過ぎるので苦しみながら見る事になる— やわらかいセカイ (@yawarakaisekai) December 4, 2019
気持ち悪さを感じつつも、続きが観たくなるのはまさに野島作品の特徴。当たり障りのない作風ではないからこそ、訴えかけるものがあるのは間違いないでしょう。
ドラマのパパ活めっちゃ勉強になるよ☺️
これ見たら稼げるようになるかもね😇
パパ活で。https://t.co/1gATsNLDHz— タカユキ (@ranran_ft) January 10, 2019
興味深いのが「パパ活」をドラマとして楽しむのではなく、勉強になる教材として見ている点。それだけのリアリティを視聴者が感じたから出た感想です。
「パパ活」を鑑賞した人の感想をまとめると、
渡部篤郎がパパ活をするおじさんにしてはダンディすぎる
気持ち悪さを覚えつつも続きが気になってしかたない
ドラマを楽しみながら、実際のパパ活に役立てることも可能
となりました。
7.ドラマ「パパ活」を見る方法
ドラマ「パパ活」はインターネットテレビの番組として作られた作品です。そのため地上波で再放送される可能性はあまり高くないでしょう。しかし、今でも「パパ活」を観る方法はいくつかあります。
- FODプレミアム
- dTV
- レンタル・セルDVD
の3種類ある方法について、各々解説します。
FODプレミアム
フジテレビのオンデマンドサイトであるFODプレミアムで「パパ活」の視聴が可能。1話目の視聴は無料でできます。FODプレミアムに加入すれば、月額888円(税抜)で「パパ活」以外のドラマを観られます。ドラマ好きの人はぜひ、この機会に入会を考えてみてくださいね。
dTV
dTVは、エイベックス通信放送が運営を手掛ける、NTTドコモが提供している動画配信のサービスです。dTVに加入すれば、「パパ活」の全8話を楽しめます。こちらでも1話目は無料ですので、無料お試しをしてから加入を考えてもいいのでは?
レンタル・セルDVD
パパ活のレンタル視聴を考えている人は、TSUTAYAかゲオ(GEO)で借りるのがおすすめ。セルDVD-BOXもAmazonで販売されていますので、どちらでもお好きな方を選択してくださいね。
まとめ 話題のドラマ「パパ活」を今すぐチェック
しばらく野島伸司さんの作品を鑑賞していなかった人は、懐かしさを覚えながらも洗練された作品描写に感激を覚えるはず。
常に時代を動かしてきた野島さんのメッセージ性の強さは、時間が経っても変わることはありません。新たなる作品を楽しみにしつつ、「パパ活」を楽しんでくださいね!