外資コンサルは見た Vol.2 ー統合効果の現実ー

これはもう10年近く前のこと、まだ私が社会人2年目で少しだけコンサルタントとしての仕事のやり方を覚えた頃のお話しである。

また過去のこととはいえ機密事項も含むことから、時期やスキーム、登場人物はフィクションも混ぜており、架空のストーリーだと思ってほしい。

統合事務局定例の後、我々は只野M(部長)に呼び出され、Bシステムの会議室にいた。

 


 

只野部長「急な体制変更で申し訳ないね。でも我々はこのプロジェクトをやり切る義務がある。立場が変わってもぜひ変わらぬ協力を頼むよ。」

 

妙にやさしい。

只野の口からこんな言葉は聞いたことがない。

気味が悪くなってきたところで、只野はこう続けた。

只野部長「今回の合併では統合効果としてシステム開発費の圧縮が目玉だ。基本的には内製化を目指すことが、頭岳部長およびA社の役員との合意事項となっていてね。君たちには、内製化を目指すために社員をサポートしてやってほしい。逃田さんはSIer出身だったよね。要件は三茶が知っているし、なんなら二人でこのプロジェクトの開発できちゃうんじゃないの?」

逃田M「いや、あの私がやっていたのは別業界の開発ですし、今回使われている技術って古すぎてネットにも載ってないのでかなり大変ですよ」

只野部長「はは、冗談冗談、まぁ頼むよ」

 

要件定義後、設計フェーズが始まる。

設計フェーズは主に外部設計と内部設計に分かれ、要するにシステムの設計図を作る。

通常大企業では外部設計までを自社またはコンサルティング会社等と準委任契約を結んで実施し、内部設計から開発、単体テスト・内部結合テストまでは外部のSIerに請負契約で外注することが多い。

今回の要件定義は、A社に合わせてABMコンサルティングから連携されており、Bシステムの社員は詳しくないシステムの設計を我々ZZZコンサルティングと開始した。

統合後はB社のシステムは縮小・停止していくことになり、せっかく刷新したシステムがなくなることにモチベーションを失っているメンバーがいることは、プロジェクト現場の雰囲気からも明らかであった。

そんな時だった、頭岳社長から「リジェネレーション to Future」が発表されたのは。

〜統合効果 それはすなわち人切り〜

Bシステムにはデスク3島毎に、TVモニターが設置されている。

これは、民放を見ることもできるが、誰も見る人はおらず、毎週月曜日の8時30分から社内ニュースを流すためにある。

ニュースのなかで、B社でも綺麗どころの社員に紹介された頭岳社長はニコニコと語り始めた。

頭岳社長「今回A社と合併するにあたり、我々はあらたな環境に果敢に取り組むため、経営体制のスリム化が急務です。
みなさんもご存知の通り、合併にはいろいろなメリットがあり、業界順位の向上によるマーケットシェアの獲得、間接部門の統合による効率的な業務体制の確立など、数えきれません。
そこで、今回「リジェネレーション to Future」と題し、グループの社員全体に呼びかけて、最大50%のメンバーの新しいチャレンジを応援したいと思っています。ぜひ、この機会に皆様もあらたなキャリアを考えてみてください。」

 

リジェネレーション to Futureの概要

B社管理部門(経理や人事)やBシステムの社員が、B社本体の営業部門やA社とB社双方のグループ会社の営業部門等に配置転換すると応募した社員の等級を一つ引き上げるというものであった。

聞こえは良いが、慣れない業務に配置転換することはそれなりに心理的なハードルがある。

それを幾ばくかの給与増で後押ししているのだ。

このキャンペーンの恐ろしいところは、この50%という数字が任意ではなく、各間接部門に年度内必達として押しつけられたことにある。

また、応募した社員は2ヶ月間のビジネスマナー研修やセールスの研修を受けるため、上司の承認後2週間で今の職場を離れることになる。

 

〜逃げた逃田〜

逃田M「70%?只野さん、ちょっとそれはどういうことですか?」

只野部長「あ?だから言ってんだろ、うちの部は70%の社員を応募させるって。他の部署の分もうちで少しカバーする。どうせなくなるシステムの担当だ。今応募させてやった方が、社員たちも職位があがって幸せだろうよ。出向の立場でも社員思いなんだよ俺は。」

「しかし、これから設計も山場をむかえて、開発に入るところです。この段階で要員数を減らすというのは、プロジェクト実行が不可能になります。」

只野部長「それをなんとかするのが君たち”開発支援”だろ。俺も鬼じゃない、ZZZコンサルへの発注額は増やすからなんとか君たちで完了させてくれよな。」

逃田M「あ、ありがとうございます!!」

「いや、逃田さん、ありがとうじゃないですよこれは」

只野部長「話は終わりだ。後はよろしく。」

 

セールスが未達でパートナーから叱責を恒常的に受けていた逃田はこの話に飛びついた。

今回の設計は1990年代の技術が使われており、それを扱える技術者なんてすぐに調達できるものではないのだが、逃田は3名の開発経験のあるメンバーを増員した。

とはいってもこれから増員されてもキャッチアップする時間がかかり、すぐに戦力化するとは限らない。

そして逃田は外部設計の完了後、プロジェクトから姿を消し、遅野Mが代わりにPMとなった。

この人はいい人だが本当に仕事がおそい。

そのため実質入社2年目の私が現場を率いることになった。

 

ある救世主の登場に現場は……?
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